お知らせ
恵寿会
2025.03.20
訃報 恵寿会創設者である北尾学氏が亡くなられました

3月19日午前0時31分、島根大学医学部初代産婦人科の教授である北尾学名誉教授がお亡くなりになりました。

御年94歳。

北尾氏は昭和54年、島根医科大学付属病院が設立される際、鳥取医科大学付属病院から赴任され産婦人科の教授となられました。その当時、出産で生まれてくる子どもたちに脳性麻痺などの障害があり、「この子どもたちは将来、どうやって生活をしていくのだろう」と嘆き悲しまれることがあったそうです。

そして何とかして障害のある方々が平穏に生活できるようにと考えた結果、当時の身体障害者療護施設の建設を思いつき、そのためには社会福祉法人を創設しなければならないことから、昭和56年12月社会福祉法人恵寿会が設立されました。翌57年4月には、身体障害者療護施設(今の障害者支援施設)出雲サンホームが完成いたしました。

この出雲サンホームが立ち上がるまでには大変な苦労があったと聞いています。40年以上前は障害者の方々に対する周りの理解も非常に低く、施設の建設場所をはじめ周辺地域の皆さまのご理解を得ることなども大変だったようです。それでも持ち前の行動力と人脈により、現在の出雲市神西沖町に出雲サンホームを建設することが出来ました。沢山の皆さまからの寄付、地主様をはじめ近隣住民の皆さまのご協力とご理解、ご支援に改めて感謝する次第です。

当初建設された出雲サンホームは、廊下幅が非常に広く、リハビリのための訓練室も驚くほどの広さが確保され、40年以上前の建物としては珍しいほどの生活環境が整備されていました。外には散歩の出来る遊歩道、2階には簡易プールもおける大型ベランダ、北尾氏がいかにご利用者の方々の生活を案じておられたかが分かります。

その後北尾氏は広島県の北広島町に千代田中央病院を建設され、同病院の理事長に就任されます。一線を退かれた後は地元である大分県にてお過ごしでした。私は一度だけ2014年頃にお会いしたことがあります。突然出雲サンホームにお越しになり、「これからも出雲サンホームをよろしく頼む!」と大きな声で話され玄関先で僅か3分の出会いでした。一瞬で人を惹きつける豪快さをお持ちでありながら、一週間も経たない間に3分の出会いであった私にお葉書を送られる繊細さもある方でした。そのお葉書は今でも大切にしまってあります。

丁度先日、出雲サンホームの建設後初となる全館大規模改修工事が完了し、まるで改修を見届けるかのように逝かれました。空の上では昨年ご逝去された北尾昌子恵寿会初代理事長、7年前にご逝去された北尾慶子前理事長と一緒に改修工事のお祝いをされていることでしょう。

我々恵寿会職員は改めて北尾学氏の熱い想いを絶やすことなく、ご利用者の方々が施設でも人生を謳歌できるよう邁進していきたいと思います。

北尾学名誉教授のご冥福をお祈り申し上げます。

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